Voice Vol.4
Hiroshi Mori

VOICE vol.4 Hiroshi Mori


芝居は割合的には55%位です。


芝居の稽古は動きやすい服があれば、あとは身一つで十分である。気候や稽古内容によってタオルや予備のTシャツなど、多少増えることはあっても、基本的に稽古場に来る時の荷物は鞄一つだ。

しかし、中にはキャリーやトランクなど大きな鞄を携える者もいる。彼等はシーン稽古(※シーン稽古について)を控えているのだ。シーン稽古では衣装も小道具も各演者が用意する。持参品は鞄や帽子など衣装の一部のようなものから、日常の生活感を出すためのコップや写真立て、雑貨など多岐に渡る。

劇団Q+ 森

舞台上では様々な場面を演じる。普段見慣れた景色から、普通ではあり得ないような場所、場面まで。何も使わずマイムで演じることもあれば、リアリティを出すため可能な限り実物をそろえる場合もある。劇団Q+では多くの場合が後者で、場のリアリティを作るため極力小道具や雰囲気を演出するアイテムをそろえるようにしている。これはシーン稽古でも本公演でも変わらない。

そこに大きく立ちはだかるのが予算の壁である。限られた予算の中でいかに小物を用意するか、毎回皆で頭を悩ませやりくりをしている。多くの場合は、各自の家から持ち寄ったり百円ショップで買いそろえたりする。しかし、そうはいかない特殊な小物も多い。

「誰か似たような形状のナイフ(レプリカ)を2つ持ってないか?」
物語上どうしても必要なアイテムだが、購入すると中々高い小物である。「森さんに聞いてみます?持ってそうだし」何人かは「いやいや」「まさか」と口にはするもの、どこかで「可能性は高いかも」と考える。少しして、相談の場に居なかった彼に件のナイフの話をする。「あ、家を探せば1本ありますよ。もう1本同じようなものに心当たりがあるので、借りれたら次回持ってきますね」

何故か、不足の小物を90%の確率で調達できる、それが森弘だ。

「過去に色々な事に興味を持って首を突っ込んで来ましたからね……。写真、鉄道、登山(ハイキング)、モータースポーツ、ツーリング(ドライブ)、ビリヤード、シューティング(サバゲー)等々。首突っ込むと自分専用アイテム買ってしまうのが原因でしょうね。」

自身の所持アイテムの豊富さを森はこう分析する。過去に限らず、森は現在でも非常に多趣味な男だ。その多趣味さは小道具等の小物類だけでなく、大道具担当としても発揮されている。

劇団Q+ 森

「大道具では演出からこんな感じの家具(装置)が欲しいと言うオーダーがあって劇場に寸法取りに行く事もありますが、作図の出来るメンバーが起こした設計図にそって資材を買って作るって感じです。とは言うものの、作る方も日曜大工の趣味は無かったので経験不足でメンバーにかなり迷惑掛けているのが申し訳ない状況です。工具はモータースポーツ、ツーリング(ドライブ)に首を突っ込み始めてから段々と揃って来ました。

印象に残っているのは、大道具の領域ではありませんが旗揚げ公演『お茶屋のかぞく』で、吉村さんと交代で音響オペレータをしていた時です。ミスもありましたが楽日最後に柳本さんから『完璧だったよ』って声掛けられた時は凄く嬉かったし一番印象に残っています。大道具の方は設計から施工までちゃんとやりとげられた時が来たらその公演が印象に残るんだろうな。」

過去、今と様々な趣味を持つ森だが、その中でも芝居は大きなウェイトを占めている。

「芝居は割合的には55%位です。『あまり高くない』と他の団員の方から非難浴びてしまいそうですけど、お芝居をする事で人前でパフォーマンスする事の楽しさ(難しさも含めて)を知ってしまい、街中で演奏しているストリートミュージシャンな方にも興味を持って立ち止まったり、友人から教えてもらったミュージシャンの方のライブ等に行ったりする機会も増えて、それきっかけに将来的には自分もピアノ弾き語りライブしてみたいなんて馬鹿みたいな夢も持ち始めてしまったので、それに向けての訓練(練習)もしたいって思っています。音楽の授業(合唱・演奏)大嫌いだった過去の自分から『お前、頭ぶつけてないか?』ってビックリされそうですけど。欲張りですよね。」

劇団Q+ 森

『あまり高くない』と冗談めいて話すが、様々な趣味が芝居と無関係かというと、そう言う訳でもない。

「写真を撮るとかコーヒーを入れる所作を芝居に反映させられるようになりたいです。ピアノもまだまだ習い始めて数年ですが将来的に機会があれば。あと、芝居きっかけで今年からボイストレーニングを2回/月ペースで始めてます。後は音楽教室主催のコンサートにプレイヤーとして積極的に参加する様になったのもお芝居きっかけです。」

芝居をきっかけに趣味はますます広がりを見せている。 森が芝居を始めるきっかけは意外なことだった。

劇団Q+ 森

「自分の友人で合唱団に所属して現在も活動されている方に、年に数回、合唱団主催のコンサートに呼ばれて行く機会がありました。その方から合唱団に入らない?って誘われました。男性パートが少なく困っているとの事でした。でも、自分は小・中学校で音楽の授業(合唱・演奏)が苦手で、高校では音楽の授業は選択していなかった位避けて通って来たので、正直『なんで誘うんだよって』気持ちでした。ただ、その友人がステージに立って歌っている姿は客席から見ていて輝いていてちょっと羨ましい気持ちもあって自分もステージで何かしたいな……、って漠然と思ったのがきっかけです。で、タイミング良く当時盛況だったSNSで新しい社会人劇団を立ち上げるのに団員を募集すると言う投稿に目が留まり、お芝居だったら出来るかも!と思い応募したのがきっかけです。」

芝居をきっかけに趣味はますます広がりを見せている。森が芝居を始めるきっかけは意外なことだった。

劇団Q+ 森

まさに様々なタイミングが合致したから始められた、奇跡的な趣味なのかも知れない。劇団では年長者の森だが、演者としても客としても演劇というものに触れたのは、このときが初めてだった。

「見てきたお芝居は、劇団での活動きっかけで知り合った方が出演されているお芝居中心です。正直な所、お芝居始めるまでお芝居を見に劇場に行くと言った習慣が無かったもので……。自分の友人からも観劇に誘われる機会もありませんでしたし。(お芝居に興味無いと思われていたフシも?)ある意味すごく損した人生を歩んで来たかもです。憧れは高倉健さんとか菅原文太さんみたいに立ち姿でも絵になる様な役者さんです。」

芝居を軸に、今なお広がり続ける趣味と世界と夢が、森の魅力を強固にしている。 そしてその広がる世界が、役者としての森に魅力を与え続けている。

森弘 / 社会人演劇集団「劇団Q+」

森弘 役者 / 音響制作 ( 創設メンバー )

  • 職業 SE(システムエンジニア)
  • 血液型 O型
  • 誕生日8月15日
  • 趣味 / 特技 写真(風景)、ツーリング、ドライブ / 隙を見付けてお昼寝
  • 出身 東京都調布市
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  • 出演
  • 「アイノカタチ」「ポイプロ!」「Outsider A」「ご予約の高橋様」「絵筆士のコグレ」「お茶屋のかぞく」- 劇団Q+ /「みんなでお茶を」「ハナウタ商店街へようこそ」「夜はこれから」「ワイルド・ホテル」「横浜御気楽総合病院」「恋は世界を駆け巡る」- 横浜スタイル
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  • エキストラ
  • ザ・スクープスペシャル「よど号ハイジャック事件~40年目の真相~」日野原重明役「ドクロゲキ」[CM] 伊藤園 スタイリー

※シーン稽古/メソッド演技法を軸に、キャラクターとしてのリアリティを追体験するための稽古。各自の課題に取り組むために、役者は自分で戯曲を選択しその中のワンシーンを演出家の前で演じる。主宰・柳本はそれに対しサジェッションを行い、役者と演出家が互いに役への理解を深めていく稽古。
シーン稽古で演じる戯曲は舞台・映画・ドラマ・小説等多種多様である。キャスティング、衣装、道具類も各役者が持ち寄り、本番を想定して演じる。