Voice Vol.8
Haru

VOICE vol.8 Haru


どんな色にもなれる人。――野心がある方が好きなんです。


2020年初夏、創立からまもなく7年となる劇団Q+。
劇団は年々レベルアップを図るべく、その形態や内容を少しずつ変化させてきた。より質の高い表現を目指し、団員数も公演規模も拡大を続けている。

劇団員はすでに4年以上在籍しているメンバーも少なくない。創設時から見れば、第二世代、第三世代とも呼べるメンバーたちが育ってきている。そして今はちょうど、第二世代が頭角を現す時期と言えるのかもしれない。

はる Haru

17年から劇団員となった「はる」も、めきめきと力をつけてきている第二世代のひとりだ。
もともと高校演劇の経験がある彼女だが、劇団Q+の稽古でも積極的にさまざまな表現を吸収し、役者としての幅を広げてきている。
はるは、芝居の世界に入ったきっかけをこう話す。

VOICE vol.8 / はる Haru

「小さい頃から、何かを演じたりするのが好きで、芸術鑑賞会などで劇団さんが来てくださったときはかぶりついて観てました。高校に演劇部があったのでそこに入部してからは、芝居にどっぷりです。

社会人になり一時期、芝居は観る専門になりましたが、人生の色々を考えたときに『やっぱり芝居やりたい』という気持ちが大きくなり、『社会人 劇団』でWeb検索した際にちょうど劇団Q+がワークショップを行っていたので、そこに参加しました。そこでのワークショップが楽しく、また、主宰をはじめ劇団員の方と一緒に芝居をしたいと思ったので入団しました!」

VOICE vol.8 / はる Haru

現在まで、Q+作品では『アイノカタチ』(17年)、『サンパティック★ブロンコ』(18年)、『夢中/滑稽』(19年)に出演した彼女。『アイノカタチ』では明るい看護師を、『サンパティック★ブロンコ』では生真面目な女中頭を、『夢中/滑稽』では夫から自立した生活を志す女性や、天真爛漫な聾唖の少女などを演じた。

VOICE vol.8 / はる Haru

劇団内では制作の仕事を担当していることもあり、メンバーたちへの号令や連絡の取りまとめなども彼女が多くを行う。まわりに元気よく声をかけながら、日々の稽古や公演から、真摯に、そして貪欲に学ぶ彼女の姿が印象的だ。

「どんな役であっても当たり前にそこに存在できる役者が目標です。どんな色にもなれる人。あとは、私自身が、芝居からたくさんのパワーや元気をもらったので、ちょっぴりでもそういった何かを感じてもらえる芝居ができたらと思っています。
稽古は、毎回無我夢中で楽しくなっちゃって、あっという間に終わってしまうのですが、最近は稽古中の自分の動画をとったり声を録音して、稽古で主宰に言われたことを稽古後に客観的に見たり自分の中で消化できるようにしています。あとは、とにかく人の演技を見ること。(声の出し方、動きなど)たくさん吸収しようと思っています。」

VOICE vol.8 / はる Haru

「劇団Q+で初めて出演した『アイノカタチ』では、立ち稽古が始まる前に、それぞれの役の背景を役者が話しみんなで共有したり、その時代、場所についてみんなで学ぶということをやりました。そして稽古で繰り返し聞かれたのが、その人の根本的なエネルギーやリアリティ。それっぽく見せるのでなく、そこに存在することが必要なのだと強烈に感じました。そして、それを体現してくださる客演のみなさん。『アイノカタチ』の稽古は本当に刺激的で楽しかったですし、もっともっとやりたいとメラメラと情熱の炎を燃やしたのが昨日のことのようです。」

彼女の言葉からは、真面目さとともに演劇への情熱が伝わってくる。同様に、芝居で見せる彼女の演技も、堅実さの端々から熱い炎がほとばしるような迫力を醸し出す。ともに稽古をしながら、その情熱的な芝居に触発されているメンバーも少なくないだろう。

とくに野田秀樹の作品が好きだと言う彼女は、劇団のシーン&ディレクション稽古※シーン稽古についてでは『売り言葉』の孤独な女芸術家や、『農業少女』の純粋無垢な少女などにチャレンジしている。演技とともに演出も自身で考える稽古であり、彼女の演出では、糸や布を使ったり、草花や稲藁を配したりといった美しい空間表現にも注目したいところである。

VOICE vol.8 / はる Haru

そんな彼女の魅力を、劇団外でも観ることができる。
19年、はるは大学時代の演劇サークルの仲間と「演劇サークルさんじゅーす」を立ち上げた。東京・江古田のスタジオで旗揚げ公演も行い、脚本も演出もすべてオリジナルの作品を披露した。

「『演劇サークルさんじゅーす』の公演では、小屋を探したり、公演日時やチケット代……etc. と自分で決めないといけないことも多く、劇団Q+の公演では感じたことのないプレッシャーを味わいました。一方で脚本も初めて書き、自分の書いたものが形になっていく面白さや昔の仲間と新たなものを創るワクワク感などますます芝居の魅力にはまってしまった感じです。ちなみに、さんじゅーすは今後も継続的に活動していく予定です。」

いかにも芝居が楽しくて仕方がないという彼女は、年々活動を加速する劇団Q+の大切な動力源の一人だ。これからの彼女のさらなる成長に期待がかかる。

「(劇団Q+の)主宰の柳本さんと脚本家の吉村さんが創る世界はいつも魅力を感じます。そして、個性豊かで情熱を持ったメンバーとの芝居作りは本当に面白いです。劇団Q+の雰囲気が好きです。うまく言えないけど、このちょっとほわんとした空気感と“上に行くぞ!”っていう野心のミックス。野心がある方が好きなんです。」

VOICE vol.8 / はる Haru

本年秋には第7回公演を予定している劇団Q+。
しかし、この春は新型コロナウイルスの流行によって図らずも稽古の休止を余儀なくされている。公演も含め今後については社会情勢を見ながら検討しているところであるが、休団中もSNSでの情報発信を中心に活動を続けている。外出自粛で家にいる団員たちも、それぞれに運動をしたり、本を読んだり、稽古再開に向けて準備をしている。
はるも、ショッキングピンクのランニングシューズでトレーニングを始めたとSNSに投稿した。どんなときも、彼女の芝居への熱い想いは燃え続けている。

VOICE vol.8 / はる Haru

はる 役者 ( 2017年入団 )

  • 職業 / OL
  • 血液型 / A型
  • 誕生日 / 4月8日
  • 趣味 / 観劇
  • 特技 /
  • 出身 / 福島県
  •  
  • 出演
  • [ 舞台 ]「夢中/滑稽」「サンパティック★ブロンコ」「アイノカタチ」- 劇団Q+ / 「変身」「ケーキを海底のポストへ投函」- 劇団ケーキ投函 /「光る航跡」青少年のための芝居塾

※シーン稽古/メソッド演技法を軸に、キャラクターとしてのリアリティを追体験するための稽古。各自の課題に取り組むために、役者は自分で戯曲を選択しその中のワンシーンを演出家の前で演じる。主宰・柳本はそれに対しサジェッションを行い、役者と演出家が互いに役への理解を深めていく稽古。
シーン稽古で演じる戯曲は舞台・映画・ドラマ・小説等多種多様である。キャスティング、衣装、道具類も各役者が持ち寄り、本番を想定して演じる。