劇団ケーキ投函『ケーキを海底のポストへ投函』

B-bot[Letter]チーム座談会
~ヒトとキカイが巻き起こす、ラブ・テクノファンタジー~

キャスト=美里菜々/なむ/Riku/岳 × 作・演出=弓月玲


劇団Q+プロデュースによるユニット「劇団ケーキ投函」の第一回公演『ケーキを海底のポストへ投函』が2019年2 月24 日(日)、神奈川県横浜市の若葉町WHARF で開かれる。

同公演は、四人の作家が書いた脚本を四つのチームが上演。個性豊かな脚本と出演者により、「恋愛」をテーマとした四つの物語が紡がれる。

そのひとつ「B-bot[Letter]」(作:弓月玲)は、恋に悩める男女をAI 搭載の“ライフサポートコミュニケーションロボット”が応援する、という近未来を思わせるファンタジー作品だ。本番も近くなってきた2019 年2 月某日、チームの五人が公演に向けての思いを語った。

「B-bot[Letter]」01/『ケーキを海底のポストへ投函』

左からキャストのRiku/なむ/岳/美里菜々

弓月
「というわけで、始まりました。『B-bot[Letter]』チーム座談会~!ドンドン・パフパフ☆」
四人
(拍手)
弓月
「今回の作品はタイトルに“Letter”とあるように、手紙をモチーフにしているのですが、出演者の皆さんは手紙にまつわる思い出などはありますか?」
岳 
「手紙…手紙……。まず、手紙って送ったことある?」
Riku
「ないですね」
弓月
「ええ~!まじですか!」
岳 
「女の子はけっこう書いたりするんじゃないですか?」
美里
「書く書く!私は基本的に手で書くのが好き」
弓月
「たしかに、美里さんやなむさんはよく手紙を書いてくれるイメージがありますね。以前、劇団Q+の公演でご一緒した時に、本番前に『がんばろうね』って内容のメッセージの入ったカードやプレゼントを頂いたことがあって嬉しかったです」
岳 
「僕はあんまり…A4サイズが三つ折りで入る封筒を使うくらい」
Riku
「僕も仕事で便箋を使うくらいしか…」
弓月
「ラブレターもないですか?」
Riku
「ないですね~」
岳 
「えー、ぜったいあるでしょ。出し惜しみしないでよ(笑)」
Riku
「本当にないですよ!」
なむ
「私はけっこうあるよ。みんなロマンスがないな~」
弓月
「教えてください!」
なむ
「え~。それはヒ・ミ・ツ」
弓月
「そんな~!最初の質問から暗礁に乗り上げた感じです(汗)。岳さんはラブレターの思い出ありませんか?」
「ありますよ」
「おお~!」
「小学校低学年の頃にラブレターをもらったんですけど。『はーい』って渡されて、僕も『ありがとー』って言って受け取りました。僕もお返しを書きました。ノートの切れっ端に、表面に『好き』って書いて…あ、文字が入り切らないって思って裏面に『だよ』って書きました」
「あははははは」
美里
「私は中学生の時、バレンタインデーに手紙で好きな子を呼び出しました。それで告白して。すごく緊張したのを覚えてる」
「甘酸っぱい青春の思い出ですね」
「B-bot[Letter]」02/『ケーキを海底のポストへ投函』
弓月
「『B-bot[Letter]』は“ラブ・テクノファンタジー”と銘打ってまして、登場人物としてロボットが出てきます。ロボットとか近未来というとSF(サイエンス・フィクション)なのかな?って思いますが、皆さんは好きなSF作品はありますか?」
Riku
「僕は『B-bot[Letter]』の台本をもらった時に、アニメーションの『イヴの時間』(監督:吉浦康裕)という作品を思い出しました。近未来の日本を舞台にしたもので、アンドロイドと人間が共生する世界を描いた作品。『B-bot[Letter]』も人間とロボットが織りなすストーリーなので、人間とロボットの違いや葛藤をイメージするのに参考にしました。 他に『アイ,ロボット』(監督:アレックス・プロヤス)や『アンドリューNDR114』(監督:クリス・コロンバス)なんかも好きです」
美里
「私はあまりSFは見ないかな。でもアンドロイドっていうのは好き。だから今回、ロボットの役をもらえて嬉しい。将来、こんなロボットができたらぜったい欲しいなって思う!ので、お客様にも楽しみにしていてほしいです」
「僕もあまりSFは見ないんですよね。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(監督:ロバート・ゼメキス)くらいかな」
「B-bot[Letter]」03/『ケーキを海底のポストへ投函』
弓月
「『バック・トゥ・ザ・フューチャー』というと過去や未来にタイムスリップする物語ですね。『B-bot[Letter]』も近未来をイメージする作品なのですが、皆さんは未来について思うことありますか?」
美里
「まずは直近だと、劇団ケーキ投函の公演『ケーキを海底のポストへ投函』が成功すると良いな。自分の未来だと、健康第一、無理しない、穏やかに生きる、を目指します(笑)」
「例えば五十年後、百年後、…生きているかな~?年金はあまりもらえないと思います」
Riku
「下手したら日本がなくなっているかも。経済とか戦争とか、日本は世界から見放されて孤立しているかも」
美里
「そんなのヤだよ~!」
弓月
「世知辛い話になってきました(汗)。もう少し明るい未来はありませんか?」
美里
「演劇に関することなら…将来は、もっと劇場がいっぱいできてほしい。映画館に行くような感覚で気軽に劇場で芝居を観られるような環境が増えてほしい」
「今度、品川にそういう劇場ができるそうですね。開発される新しい駅ビルの中に劇場ができるって。映画館じゃなくて劇場なのは意外だなって思いました」
美里
「下北沢のような街がたくさんできるといいな」
「演劇が一般にもっと身近になってほしいですよね」
美里
「あと、個人的には、老人ホームや幼稚園で芝居をして回ってみたい」
「いいですね」
美里
「演劇で社会貢献ができたら嬉しい」
弓月
「私はカフェ公演とかも興味あるな」
「いいですね。じゃあ劇団ユヅキで」
弓月
「え?そこはケーキ投函じゃないの?ケーキって付いてるのに(笑)」
「あははははは」
美里
「今後もそういう新しい企画ができる機会があると良いよね」
「B-bot[Letter]」04/『ケーキを海底のポストへ投函』

弓月
「今回の『B-bot[Letter]』、稽古をしていてどうですか?」
美里
「私が演じているロボット、あんなロボットが欲しい。日常生活を色々支えてくれそう」
「孤独死とか減りそうですよね。一人でも寂しくなくなりそう」
弓月
「キャラクターを気に入って頂けているようで嬉しいです」
美里
「作・演出の弓月さんのやりたいことが明確なので、どこまで私たちが汲めているかは別として、演じやすいという気がしています」
弓月
「なるほど。私としては初めての演出ということで、そこは悩みどころで。どこまで演出家のイメージを役者へ強要するか。自分の価値観だけで押し付けになってしまうのも嫌だなぁなんて」
美里
「役者からもどんどんアイデアを出していかないといけないよね」
弓月
「私が面白いと思うから役者さんに演ってくださいと言うけど、それが万人共通の面白さなのかはわからない。でも面白いはずだって信じる(笑)。そういう仕掛けが盛りだくさんな作品です」
Riku
「僕もロボットの役ですが、演じていて、ロボットのプログラム的な部分と、誰かと会話する時の感情のバランスが難しい。ロボットらしいクールというか無機質な部分と人間的な部分の使い分けを、役者として徹底していくのが、大変だけどやりがいがあって面白いです」
美里
「私もロボットの感情と行動のバランスを捉えるのが難しい。今も毎回の稽古で探りながら演じています」
弓月
「その辺、作家はあまり深く考えないで台本を書いているかもね(笑)。今まで劇団Q+の公演ではやったことのない芝居をできたらいいな~と思って書いたら、けっこう大変になっちゃったね(笑)」
「僕は人間の役で、素直でわかりやすいキャラクターなんですけど。逆にそういう役をやるのは僕は初めてな気がします。だから、どこまで自分の感情を素直に出せるか、挑戦しています。…普段は感情を表に出すことがあまりないので」
弓月
「岳さんはクールだもんね。真逆なキャラクターかも。ということは、今回の舞台では岳さんの初めてな表情がたくさん見られるかも。あ、それを言ったら全員そうかも。期待しちゃうな!」

「B-bot[Letter]」05/『ケーキを海底のポストへ投函』

読者の皆様へ
拝啓 寒気の中にも早春の息吹が感じられるころとなりました。
 この瑞々しい季節に、劇団ケーキ投函『ケーキを海底のポストへ投函』の初舞台が幕を開けます。初めて脚本や演出を手掛けた四人、そしてその新しく拓いた四つの世界に飛び込んで芝居をつくり、お客様へお届けする役者たち総勢十人。我々にしかない楽しい時間をお届けできるよう励んでおります。ぜひご来場くださいましたら幸いです。


 実際に劇中に登場するようなAIロボットがいたらどうかな?そんなことも考えワクワクしながら稽古をしています!そして物語の男女が幸せになりますように…。  今回は恋がテーマのお話。昔、尊敬する女性が言ってた言葉を思い出しました。「誰かを好きになるのは奇跡。互いに思い合えたらもっと奇跡。」誰かを想う気持ちは時代が変わっても大切な宝物。劇場でお待ちしております。 美里菜々


 自分と正反対のキャラクターに迷うことも多々ありました。でもきっと恋する女性ってみんな同じことを悩んでるー!はず。そんなイメージで皆さまにくすっと笑える役を目指して頑張ります! なむ


 私は今回、自分のお芝居でお客さんに何か感じてもらえたらなと思い日々稽古に励んでおります。チーム一丸となって作品の歯車として徹底して作っていくのが私の目標です。お客様にも作品の世界観を感じてもらいたいし、生ならではの観て感じて楽しんでもらえるように努めてまいりますのでよろしくお願いいたします。 Riku


 今も未来も、恋の始まりに考えることはきっとこんな感じ。でもロボットと人の関係はこんな感じ…?色々想像が膨らむ作品です。チャーミングなロボットとの掛け合いを是非ご覧ください。最後の問いかけに自分ならなんて答えるだろう? 


 今回の公演は“恋愛”がテーマです。人間にとって古よりの普遍のテーマ、そして今を生きる誰にとっても身近なこのテーマに、敬意と憧れと疑念と愛を込めて挑戦できればと思います。そうして生まれてきた「B-bot[Letter]」に命を吹き込むべく、四人の役者が奮闘してくれています。この芝居の中には、私たち五人が愛する“面白い”をたくさん詰め込みました。その情熱あふれる作品を皆様へお届けできればと願っています。 弓月玲


 時節柄、皆様のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。ぜひ劇場でお会いできますのを楽しみにしております。

敬具

(文責:弓月玲)

「B-bot[Letter]」06/『ケーキを海底のポストへ投函』